大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和44(あ)1110 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人岡本貴夫の上告趣意一について。

所論は、検察官の上訴を認めた刑訴法三五一条、または検祭官による量刑不当を

理由とする上訴が、憲法一三条に違反するというのである。

しかし、憲法は、審級制度をいかにすべきかについては、その八一条において最

高裁判所の性格を定めているほか、なんらの定めもしていないのであるから、この

ほかの審級制度は立法をもつて適宜に定めることができるものと解すべきであり、

このことは、当裁判所大法廷の判例(昭和二三年三月一〇日判決、刑集二巻三号一

七五頁)とするところである。しかも、下級審の有罪判決に対し検察官が上訴し、

より重い刑の判決を求めることが憲法三九条に違反しないことも、当裁判所大法廷

の判例(昭和二五年九月二七日判決、刑集四巻九号一八〇五頁)とするところであ

る。これらの判例の趣旨によると、所論は理由がないものといわなければならない。

同二について。

所論は、量刑不当の主張であつて、上告適法の理由にあたらない。

また、記録を調べても刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて、同四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

昭和四四年一〇月二一日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 田 中 二 郎

裁判官 下 村 三 郎

裁判官 松 本 正 雄

裁判官 飯 村 義 美

- 1 -

裁判官 関 根 小 郷

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!